アプリカンブログ

HTML5でiOS/Androidアプリが開発できるプラットフォーム、アプリカンのブログです。

リリース1周年記念インタビュー

アプリカンは先日、リリースから1周年を迎えました!そこで1周年を記念して、アプリカン開発陣である羽田野さん、朝倉さん、ヤーニスさんの3名にこれまでの歩みと、今後の目標について聞きました。

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アプリカン | アプリ開発支援プラットフォーム

Webエンジニアがこれまで培ったスキルでアプリ開発できる環境を

− アプリカンのコンセプトを聞かせてください

アプリカンの開発元であるニューフォリアはWeb制作会社です。社内には多数のWeb系エンジニアがいます。そんな中、市場は徐々にiOS、Androidアプリにシフトしていました。もちろんエンジニアによってはWebからスマートフォンネイティブにシフトすることもできます。しかし会社全体というのは困難でしょう。

そこでWebエンジニアが既にもっているスキルや強みを活かしてスマートフォン開発ができる環境を作りたかった。それがアプリカンという形になっています。

元々Webのコンセプトはオープンプラットフォームで、一つのコードがマルチデバイス、マルチブラウザで動作する点にあります。それがネイティブアプリになった途端にObjective-CやSwift、Javaなどを習得し直さなければならなくなった。しかもデバイスの種類によって同じサービスなのに異なる言語で書き直す必要もあります。それをアプリカンによって改善したいという思いからはじまりました。

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羽田野さん

− よく比較にあげられるPhoneGapやCordovaとの違いを教えてください

ハイブリッドアプリという枠組みで見ればPhoneGapやCordovaとアプリカンは同じです。どちらもHTML5アプリをラッピングしてネイティブアプリ化する技術です。海外では広まっていますが、国内ではまだまだというのが実感です。それはやはり英語の壁であったり、オープンソース故のコミュニティの大きさが関係しているのではないかと思います。

アプリカンとしては日本発のプラットフォームであるという点は意識しています。国内のWeb企業がネイティブアプリを提案する際に使ってもらいたいと考えています。Webとアプリの壁は高く、アプリ開発に対する提案をWeb会社が行うという話はほとんど聞かれません。アプリカンはその橋渡しになると思います。

Cordovaはオープンソースであり、コミュニティベースで新しい機能が追加されたり、プラグインが開発されますが、アプリカンの場合は自社でクライアント向けに利用していることもあって、企業ニーズで機能追加を行うケースが多くなります。例えばQRコード読み取り機能やGoogle Analytics対応も企業ニーズです。

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朝倉さん

コミュニティベースでのプラグイン追加は多様性を生みますが、iOSやAndroidのようにバージョンアップが頻繁ですと、品質を担保するのが困難になるのが難点です。アプリカンの場合、一般ユーザが好むような機能がどんどん追加されていく訳ではありませんが、その動作についてはニューフォリアが確約しながら進められるのが利点となります。

とはいえ、PhoneGap/Cordovaはとても強力なプラットフォームです。アプリカンのAPIについてもPhoneGapとなるべく合わせるようにしています。

− 国内外でのハイブリッドアプリの動きはいかがでしょうか

アプリカンが提供しているハイブリッドアプリ(HTML5をネイティブアプリ化)は残念ながら日本国内ではまだそれほど広まっていないように見えます。しかしUSにおいてはアプリストアに出ている49%のアプリがハイブリッドアプリであると言うレポートが出ています。

また、アプリストアはゲームや写真などの一般ユーザ向けアプリが注目を浴びやすく、ビジネスやユーティリティなどハイブリッドが活かされるジャンルは目立ちません。それだけに約半分がハイブリッドアプリだと言われてもなかなか実感がわかないだけで、実は浸透しているのかも知れません。

国内で広まらない要因としてはいくつかあると思いますが、これまでの活動で得た知見としては、日本のエンジニアは真面目で、できるだけ高いパフォーマンスを求めがちと言うのが関係しているように見えます。ハイブリッドアプリはパフォーマンスで多少目をつぶるところが必要なので、それが許容できないのかも知れません。しかし今後ビジネスでのスマートフォン、タブレット利用が進んでいけば、パフォーマンスよりもマルチデバイスや開発効率に注目が移り、自ずとハイブリッドアプリが注目を集めていくと考えています。

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ヤーニスさん

アプリカンは毎月アップデートされています

− アプリカンの開発状況を聞かせてください

現在、アプリカンは約10名で開発を行っています。開発会議を開いて、皆さんからの要望やバグ情報を集めてプライオリティ付けを行い、その月内での開発計画を立てています。そして月1回のバージョンアップを行っています。

企業ユーザからの要望は多く、まだまだAPIが足りない状況です。iOS/Androidのネイティブでできる機能はどんどん追加されていますので、それを追従していくだけでも大変といったところです。特にiOS8であったり、Lollipopといったメジャーアップデートが行われると、そのマイグレーションに追われると言った感じです。基本的に既存のプロジェクトは変更することなく最新のOSで動作するようにアプリカン側で吸収していますので(64bit対応など)安心して利用してもらえると考えています。

− 1年間サービス提供してみて得られた実感はありますか?

1年間、何度もハンズオンの開催やセミナーを通じて啓蒙活動を行ってきました。都内もそうですが、特に地方でハイブリッドアプリに対する期待値が高いのが伝わってきています。地方でこれまでWeb制作を行われていた会社が今後ハイブリッドアプリを使ってアプリ開発に乗り出していく構図です。

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ハンズオンの様子

そうした時に特に重宝されるのが日本語のドキュメント、サポートです。ニューフォリアが開発しているとあって、安心して利用できるという声をよく聞きます。

とはいえようやく芽が出始めたといった感じで、啓蒙活動はまだまだ足りていないというのが実感です。ハイブリッドアプリの良さ、アプリカンならではの面白さ、使いやすさをもっとアピールしていきたいですね。

− 今後の予定を教えてください

今後の予定としては例えばNFCやBLEへの対応が挙げられます。iPhone 6以降ではNFCにも対応していますし、AndroidとともにNFCがJavaScriptから簡単に使えるようになるとアプリの幅が広がるんじゃないかと思っています。BLEについてはiBeaconをはじめ、O2Oに関する要望がとても強いのが実感としてあります。

※ 12月17日リリースの 1.10.0 よりiBeacon対応を開始しました!

後はハイブリッドアプリで常に言われるパフォーマンスをもっと引き上げていきたいと思っています。アプリカンではメニューやナビゲーションにおいてHTML5ではなくXMLファイルを使って定義できるようになっています。これは特にユーザビリティに関わる部分においてHTML5で実現するよりもネイティブ実装にした方が効果的であると考えているからです。

アプリカンは本体がバージョンアップすることで、既存のプロジェクトにおいてもパフォーマンスが向上します。機能とパフォーマンスは今後も追求していくべき課題です。

もう一つは有料ユーザを増やしていきたいという考えもあります。アプリカンは無料で使っていただく場合、下に広告が表示される仕組みになっています。そのため、収益という面においては無料ユーザの方が増えていくことで十分なのです。しかし有料でも使いたいと思ってもらえるのはアプリカンを評価してもらった結果だと思っています。だからこそ有料ユーザを増やせるよう、努力しなければならないと考えています。

− ハイブリッドアプリ開発に興味がある方に一言お願いします

アプリカンのコンセプトはWebデザイナー、Webエンジニアに今のスキルセットでアプリ開発の道を提供することにあります。極端に言えばDreamweaverでアプリ開発ができるようにしたいのです。

Unityでユーティリティやビジネスアプリが作られないのと同様に、ハイブリッドアプリにはハイブリッドアプリに向いたジャンルがあると思います。iOS/Androidの両方に提供するアプリ開発では特に役立てるはずです。ぜひアプリカンをお使いください!

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